バベットの晩餐会
久しぶりの映画。内容の予備知識なしで見始めたんだけど、地味ながら慎ましく生活する人々に魅入ってしまった。後半から打って変わって鮮やかな料理の数々にお腹が空いてきました。いい映画でした。
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内容紹介
ただひたすらに牧師の父の教えを守り続け、慎ましく生活を送る姉妹。
そこに現れた一人の女性により、姉妹、そして周りの人間が幸せを感じ始める。
食べることの幸せ、そして心と体が温まる逸品!
19世紀後半、デンマークにある海辺の小さな村に、牧師と彼の美しい姉妹マーチーネとフィリパが暮していた。姉妹の美しさは有名で、あらゆる若者が求婚にくるが、父は娘二人に仕事を手伝ってもらいたいと願い、申し出をすべて断っていた。そんなある日のこと、たまたま村に滞在することになったスウェーデン軍人のローレンスが、姉のマーチーネを見初める。しかし現在の恋よりも自らの将来を選んだ彼は、身を引いてしまう。次いでフランスの有名な歌手パパンが休養の為にこの村を訪れ、フィリパに恋をする。パパンはフィリパに接近するが、彼女は戸惑い、パパンと会うのを止めてしまう。
そして月日が流れ、父親が亡き今も二人は夫を持たず、村人の世話をしたり信者たちの集いを催したりしながら慎ましく生活を送ってきた。そこにかつてフィリパに恋したパパンの書いた手紙を携え、フランス人女性バベットが現れる。 やがてこのバベットが姉妹を、そして村の人々の心と体を温かく包み込むことになる……
原作者は、デンマークの紙幣にもなるほど有名な女流作家カレン・ブリクセン(1885~1962)。アイザック・ディネーセンのペンネームで活躍したことでも知られる。 監督のガブリエル・アクセルは、デンマークとフランスを行き来しながら映画・テレビ演出を手がけ続け、とりわけフランスのテレビ局製作で数々の文芸作品をドラマ化して高い評価を受けた人物。
映画『バベットの晩餐会』は原作の精神を出来得る限り尊重しつつ、映画ならではの視覚描写を用いて、前半の禁欲的で寂れた寒村の描写と、後半の温かみある晩餐会の場面との間に極端な落差を設け、バベットの料理の力によって人々が次第に活き活きとしてくる様子をより効果的に強調している。
観終わった後、胸の奥に幸福な温かみがしっとりと広がり、不思議と食欲が湧いてくる逸品。
HDニューマスター
表紙画:高橋常政
【特典】
収録:予告編、フォトギャラリー
封入:解説リーフレット(飛田和緒、遠山純生 40頁)
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